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定期借家契約書を作って契約しても定期借家にならない。

まず、一般の普通借家ですが、

普通借家の場合は、契約書で契約期限を定めても、

契約期限が到来した場合には、

借家契約は、自動的に更新され(法定更新と言います)

大家には、契約更新を拒絶する権利が原則として

ありません(正当事由という特別な理由がある場合

にのみ更新拒絶が認められますが、

単なる経済的理由程度では、裁判沙汰にしても、

更新拒絶を認められないことが多いですし、

更新拒絶を認められる場合でも、多額の立退料

払うことと引換えにやっと認めてもらえるという

ことになります)。

 

これに対して、定期借家とは、

期限が到来したら契約更新しない借家のことです。

 

定期借家の契約が有効に成立すれば、

大家は、契約期限が到来したときに

借主に対して立ち退けと言える権利を正当に

有するということになります。

 

ただ、定期借家契約書という契約書を作るだけでは

定期借家になりません。

 

有効な定期借家契約とするには、

契約の際に、あらかじめ

期間の満了によって賃貸借は終了するということを

説明した書面を作成し、借主に、その書面を交付して

説明しなければなりません(借地借家法38条2項)。

 

この説明をしていないと、

契約の更新が無いこととする定期借家契約書の定めは、

無効になってしまいます(借地借家法38条3項)。

 

つまり、この説明をしていないと、

大家が定期借家契約をしたつもりでも、

一般の普通借家になってしまい、

期限が到来したら法定更新され、

大家は更新拒絶ができないということに

なってしまいます。

ハザードマップの説明が加わった重要事項説明書の書式

前の記事に、宅建業者の重要事項説明

水害ハザードマップの説明が加わったと

書きましたが、

水害ハザードマップの項目を付け加えた

重要事項説明書の参考書式が国土交通省から

公表されています。

 

国土交通省公表の重要事項説明書の参考書式

はこちら

 

この書式の

「11 水防法の規定により市町村の長が提供する図面

水害ハザードマップ)における当該宅地建物の所在地」

が、水害ハザードマップに関する説明の項目です。

宅建業者による重要事項説明にハザードマップの説明が加わった。

宅建業者は、物件の買主や借主に重要事項説明

いうものを、宅建士にさせなければなりません。

この重要事項説明で説明しなければならない事項が

昨年、増えました。

 

すなわち、昨年の7月17日に、

「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける

対象物件の所在地を事前に説明することを義務づけること」

とする宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令

(令和2年内閣府令・国土交通省令2号)が公布され、

8月28日から施行されました。

 

このハザードマップに関する説明は、売買だけでなく、

賃貸借の場合も必要なので、

宅建業者は、アパートなどの借主にもハザードマップ

の説明をしなければならないことになります。

 

また、

現行の水防法に規定する浸水想定区域(洪水・雨水出水・

高潮)の法施行前に策定された古い水害ハザードマップ

が未だに存在する自治体がありますが、

現行法に対応する更新がされていない場合には、

この古いハザードマップ現行法に基づくものと

みなされるため古いハザードマップについて説明する

必要があります。

 

更に、

売買や賃貸借の対象となる宅地建物の所在地が

浸水想定区域の外にある場合でも、

水防法に基づく水害ハザードマップにおける

位置を示さなければなりません

この場合、浸水想定区域の外であるからといって

絶対に安全とか、絶対に浸水しないという保証は

ないので、

説明の際に、買主や借主が水害のリスクはゼロ

なんだと誤解するようなことがないような説明

することが求められます。

 

もし、そのような誤解を招く説明をしてしまうと、

買主や借主が現実に水害に遭ったときに、

宅建業者の重要事項説明に過失があったから、

水害が無いものと誤解して取引してしまったとして

損害賠償請求されるはめになりかねません。

納め過ぎた登録免許税の還付請求が認められたことがある。

登録免許税とは、登記申請をする際に納める税金

で、

登記申請書に登録免許税に相当する額の証紙

貼って登記申請することになります。

 

不動産の種類等によって決まった金額の証紙を

貼るだけなので、

明らかな計算間違いなどでない限り、

税額算定の解釈の違いで、後から還付が認められる

ようなことはないようにも見えますが、

登記官(法務局)との税額算定の解釈の違いにより

還付請求したところ、認められたケースもあります。

 

たとえば、分筆前の土地が商業地区に面していたが、

分筆後の土地が住宅地区にのみ面するようになった

事案で、

「分筆前の土地の平成7年度の台帳価格と登記土地の

 同年度の台帳価格は、約2倍以上の開差があるから、

 分筆前の土地を類似地とすることができない」

として、原処分庁(登記官)の行った通知処分は

全部取り消されるべきであるとされたものがあります。

国税不服審判所平成8年4月22日裁決)

 

これは、登録免許税法10条によれば、課税標準(税額

計算の基準となる金額)となる不動産の価額は、

登記時の不動産の価額とされているところ、

同法附則7条で、当分の間は台帳価格によることができる

とされ、同法施行令附則3項では、台帳価格のない不動産

については、課税台帳に登録された当該不動産に類似する

不動産の価格として、登記官が認定した価額とする旨が

定められており、

この定めに従って登記官が認定した価額が高すぎると

判断されたものです。

兄貴が「相続分のないことの証明書」という書類を送ってきた。どうする?

親が亡くなると、兄弟から

「相続分のないことの証明書」という書類を

送ってきて、

これに署名押印して返送してくれと言ってくる

ことがあります。

 

これに署名押印してしまうと、

自分は、親から十分なものを生前にもらっている

ので、

親から受け継ぐ財産はゼロですということを

自分で証明してしまったことになります。

 

相続放棄は、家庭裁判所に申請して行いますが、

この「相続分のないことの証明書」への署名押印は、

家庭裁判所を介さない事実上の相続放棄みたいな

ものです。

 

もちろん、他の兄弟に親の遺産を全て相続させ、

自分は何も相続するつもりはないということであれば、

これに署名押印して、兄弟に返送すれば良いことに

なります。

 

しかし、もし、そうでないならば、

安易に「相続分のないことの証明書」に署名押印すべき

ではありません。

署名押印せずに、きちんと遺産分協議をしようと

他の兄弟に提案すべきです。

遺産分割協議をしようという提案に他の兄弟が応じず、

それでも、きちんと遺産分割をして、もらえるものは

きちんともらいたいということであれば、

家庭裁判所遺産分割調停を申し立てることになります。

公示地価の扱いが小さすぎる・・・

3月23日に最新の公示地価が公表されました。

なので、今日の中日新聞東京新聞も発行)の

朝刊を見ると・・・

 

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三面の左上の片隅・・・・

 

一面は、

「戦時下の聖矛リレー 五輪中止で1938年

 戦意高揚に利用」

という反戦?記事だ。

 

 こ れ

  ↓

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ちなみに二面は、河井元法相の事件など、

三面も4分の1以上は、女性天皇女性宮家

についての記事。

 

中日新聞東京新聞も発行)は、経済動向

関心が薄いのか?

それとも、他の新聞もこんなもの?

 

 

生命保険の保険金は相続財産(遺産分割の対象)にならない可能性がある。

保険金については、保険金の受取人が誰になっているか

によって、

遺産となるのか、ならないのかが決まります。

 

保険契約で、保険金の受取人が亡くなった本人(被相続人

の場合は、

被相続人の死亡により、保険金を受け取る権利被相続人

自身に発生し、

その権利を各相続人が相続するということになるので

保険金は相続財産(遺産分割の対象)になります。

 

そうではなく、

保険金の受取人被相続人以外の人、たとえば被相続人

配偶者(妻)となっている場合には、

保険金を受け取る権利があるのは、最初から配偶者(妻)

であり、

被相続人受け取る権利を配偶者(妻)が相続するのでは

ありません

つまり、この場合、保険金を受け取る権利は、配偶者(妻)

自身の財産ということになり、遺産ではないので、

相続財産として遺産分割の対象になることはないということ

になります。

 

つまり、配偶者(妻)は、自分のものとして、保険会社に

保険金を請求できるということです。

 

ただし、税金の世界では、

遺産でない保険金も「みなし相続財産」として、相続財産

として計算し、相続税額を算出することになったりします

ので注意が必要です。

(契約者が被相続人で、保険料の支払いも被相続人

 していた場合。契約者が被相続人で、保険料の支払い

 を保険金受取人がしていた場合には、所得税・住民税

 が課されたりします。)

遺産分割をした後に遺言書が発見された場合

たとえば、被相続人(亡くなった人)の

妻と子法定相続分どおりに遺産分割して

遺産分割協議書を作成したが、

その後に、妻に全財産を遺贈するという内容の

被相続人遺言書が発見された場合に

どうなるか。

 

このような場合、遺贈された財産は遺産では

なくなるので、

遺産でないものを遺産として行った遺産分割は

無効ということになります。

 

つまり、遺言書の内容が優先するという結果に

なります。

 

それでは、

相続人が兄弟2人の場合に、法定相続分どおり

半分ずつを相続すると遺産分割協議したところ、

全財産ではなく

財産の3分の2を兄に遺贈するという内容の遺言書

が発見された場合はどのようになるか。

 

この場合も、遺言書が優先するので、財産の3分の2

は、遺言書どおり兄のものとなる。

 

では、残りの3分の1については、どうなる?

残りの3分の1について、遺言書発見前にやった

半分ずつを相続するという内容の遺産分割協議

有効であるとすると、

兄は、遺言書の3分の2にプラスして、残り3分の1

の半分である6分の1の合計6分の5を取ることに

なり、

弟は、残り3分の1の半分である6分の1しか取れない

ことになる。

 

これでは、あまりに不公平な結果となる。

 

そのため、発見された遺言書の存在を知っていれば、

弟は、このような遺産分割をしなかったという事情

ある場合には、錯誤民法95条)により、

遺産分割の合意を取り消すことができると考えられます。

連帯保証人になるということは、借金をするのと同じようなことという覚悟を持とう。

連帯保証人というものがあります。

保証人は、お金を借りた本人がお金を返せない

ときに、

本人に代わって借金を支払いますという約束を

する人ですが、連帯保証人保証人の一種です。

 

連帯保証人のどこが、ただの保証人と違うのかと

言いますと、

連帯保証人は、借金取りがやってきたときに、

本人に先に請求してくれと言えません

(「催告の抗弁権』が無い」と言います)

 

また、連帯保証人は、

本人が支払えるだけのお金を十分に持っていると

証明しても、借金取りからの請求を拒むことが

できません

(「検索の抗弁権』が無い」と言います)

 

更に、他にも連帯保証人がいるときに、

別の連帯保証人はお金持ちだから、

そちらに請求してくれとか、

自分は半分だけ払うので、残りを、そちらから

取ってくれとも言えません。

(「分別の利益』が無い」と言います)

 

つまり、連帯保証人は、借金取りから支払いを

請求されたときに、

言い分けが何もできず、請求どおりに支払う義務

があることになります。

 

なので、借金をする本人に、金銭的な余裕が大いに

ある場合を除いて、

連帯保証人になるということは、借金をするのと

同じようなことだという覚悟を持つ必要があります。

少なくとも、軽い気持ちで「ああ、いいよ」と

安易になるものではありません。