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弁護士(税理士業務名古屋国税局長通知)と不動産鑑定士の2つの資格を持つ相続と不動産に強い専門家です。

地主さんの勘違い(定期借地)

リアルバリュー法律事務所での最近の解決事例を紹介していきます。
当事者の特定を避けるため、いつ頃の事件かが分からないように
年月日などは伏せます。また、事案の本質を変えない程度に事実関係を変えてあります。
リアルバリュー法律事務所のHPでも公開しています。


借地の場合、借地人は、借地借家法という法律で保護されています。
そのため、地主は、原則として、
1. 正当事由がある場合
2. 地主と借主との信頼関係が破壊された場合
しか、強制的に借地契約を解除することができません。

正当事由とは、地主さんが災害や健康上の理由などで、
貸している土地にしか住むことができなくなったような特別な理由でないといけません。
信頼関係の破壊とは、何ヶ月にも渡って地代を滞納しているなどの事情が必要です。

ところで、このように地主からは、原則、立ち退き請求できないようになっている借地ですが、
例外的に、定期借地というものがあり、定期借地契約をすると、
決めた期日が到来すれば、借主に立ち退きを求めることができるようになります。


ただ、この定期借地が認められるためには、一定の要件があり、その要件をちゃんと満たしていないと、
契約書に定期借地契約と書いてあっても、それだけでは定期借地になりません

時々、あるのは、
契約書に「契約期間10年」とか
「契約期間 平成元年1月1日〜平成30年12月31日」と書いてある場合に、
地主さんが、勝手に定期借地だと勘違いしている場合です。
契約期間がきちんと書いてあっても、それだけでは定期借地になりません

たとえば、通常の定期借地(一般定期借地)では、期間が50年以上でなければなりませんし、
契約書は書面で作っていなければなりません。

あるいは、事業用定期借地というものでは、
事業専用の借地で、居住の要素が一切あってはならず期間の問題のほか、
契約書は、ただの書面ではなく、公正証書で作らなければなりません。


期間の要件を満たしていなかったり、
事業用借地契約と契約書の標題には書いてあるが、契約の中身を見ると、居住用という目的も記載されていたり、
事業用借地なのに、契約書が公正証書でなかったりと、
定期借地の要件を満たしていないのに、
地主さんの方で勝手に、定期借地なので期限が来たら借地人に出て行ってもらえると勘違いしていることが結構あります。

当事務所に相談に来られる地主さんで、
定期借地なので、借地人に出て行ってもらえますよね」と言われる場合に、
「いや、これは定期借地になりませんよ」というケースがあるわけです。

このような場合に、地主さんから依頼を受けて、
借地人と立ち退き交渉をして、立ち退いてもらったというのが何件かあります。

地主さんの中には、
「勘違いしたまま、借地人に、定期借地だから退去義務があると偉そうに言わなくて良かった」と
おっしゃる人もおられました。

地主さんが定期借地の契約にしたい場合は、契約書を弁護士にチェックしてもらうなど十分に注意してください。