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借主への立ち退き請求が立退料ゼロ円で認められた判例(その5)

横浜地方裁判所判決・昭和63年2月8日8(判例時報1294号)
 
建物所有を目的とする借地契約の期間満了の貸し主の異議申立に正当事由があるかどうか
の判断にあたり、
建物賃借人の事情を借地人側の事情と斟酌すべきである場合にはあたらないとした判決。
 
借地に関する判決。
賃借人は、自分では借りた土地を利用しておらず、
土地に建てた建物を第三者に賃貸しているという状況であった案件。
 
正当事由の判断にあたって、
借地人が借地の上に建てた建物を自分で使用せずに他人に貸しているときには、
借地人側の事情として、借地上の建物賃借人の事情を斟酌することが許されるのは、
借地契約が当初からその建物賃借人の存在を容認していたものであるとか、
または、
実質上建物賃借人を借地人と同一視することができるなどの特段の事情の存する場合に限られる
という最高裁判例を引用し、
本件は、そういう場合にはあたらないので、この建物賃借人の事情を考慮する必要はないとした。
 
また、借地上の建物の築年数が、
この判決時点で既に35年以上も経過しており、
近い将来の建て替えを必要とするようなものだったという事情もあった。
 
立退料はゼロ円。