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借主への立ち退き請求が立退料ゼロ円で認められた判例(その2)

東京地方裁判所・平成3年4月24日判決(判例時報1372号)
 
土地の有効利用を理由とする建物(倉庫)賃貸借契約の更新拒絶について、
立退料の提供なしに正当事由が認められた事例です。
 
4,893.12㎡の土地に建っている老朽化した平家建ての倉庫を貸していた事案で、
土地の利用方法としては極めて非効率な場合でした。
老朽化した倉庫を取り壊して、地上7階・地下1階のオフィスビルを建てるために、
貸し主が賃借人に立ち退きを要求したということです。
  
もともと1年限りの約束で貸したものであったが、
その後更新を繰り返してきた賃貸借だったこと、
賃借人は倉庫を借りて営業をしていても、実質赤字の状態で
倉庫を借り続けることに合理的な理由がなく、
また、借家権自体の存否にも争いがあったこと、
広い土地に老朽化した倉庫という利用の仕方があまりにも非効率で
貸し主の言い分に利があることなどなどから
立退料ゼロ円での立ち退き請求を認めました。
 
賃借人は、貸し主が超大企業であり、全国に多数の土地・建物を持っているから
賃借人に有利に解釈すべきということも主張しましたが、
それは正当事由の判断にあたっては重要なことではないと一蹴されています。